本書は霊魂との共作である。物質世界の人間は消滅すべきか、存続すべきか、についての霊魂達の考え方を、一冊の本に纏めたものである。読者の皆さんに分かりやすいようにストーリー化してある。人類は核兵器まで持ち、人間以外の数多くの生命にとっての脅威となっている。それでも、人間達は自分の都合や利益しか考えていない。環境問題は人間だけの問題ではないとも言える。客観的に見れば、人類がいない方が地球の他の生命の為には良いと言える。霊魂に聞くと、地球の生命は、動物も、植物も、皆、『幽体』という霊的な身体で、死後の世界に入るらしい。そうなると、動物や植物の霊魂達にとっても、人類の行動は大きな関心事になってくる。子孫達の生命が脅かされるからである。人類は物質の世界で、今後も生き続けるべきなのであろうか。霊魂によっても意見が割れているそうである。そして、過激な霊魂の中には、実際に、人類を消滅させるべきだと主張する者もいるらしい。もちろん、反対する者もいるらしい。死後、下の方に入った霊魂達にも意見があるらしく、霊魂の世界には上から下まで、様々な考えがあるようである。本書は、そうした霊魂達の考え方と行動を、物語という形にして読者に紹介し、人々がこれから考えるべきテーマを示している。主人公は、死後、地獄のような恐ろしい世界に入り、何とか、そこから逃げて来た青年である。科学教の信者で溢れた現代では、標準的で、どこにでもいるようなタイプの青年霊魂が、死後の世界から抜け出し、物質の世界に戻って来た。その青年がいろいろな霊魂と知り合う事により、人類の消滅阻止を本気で考えねばならなくなってしまう。まだまだ未熟な霊魂にすぎない主人公は、一体、何をどうすれば良いのであろうか。
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