本書は法律実務家が一般的に行う法的思考の内実を明らかにし、その修得方法を提示する。司法試験の対策にも使え、特に「知識はあるはずなのに、論文式試験の点数が取れない」という人にはぜひ一読を勧めたいと思う。司法試験対策ないし法的思考一般で「引っかかる」部分は、基本書や判例に書いてあることだけ、とは限らない。その引っかかり「うる」部分について、具体的に人の知覚や直観や社会通念といったレベルにあるものを同定し、明示的に検討の俎上に挙げた上で、分析を加え、実質的な結論形成について省察(自己チェック)ができる能力を取得するために必要な道筋(ステップ)を後半で具体的な判例をベースに展開されるソクラテスメソッド形式の対話を踏まえつつ示す。
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