神社や寺院まつわる怪異談を集めた一冊。 怪談師である正木信太郎氏の協力のもと、実際に神社やお寺の神職にあたり、多くの「実話」を聞くことができた。 そこから、30の逸話を選抜。 ここに掲載する話はいずれも選りすぐった「本当にあった」怪異譚である。 特定を避けるため名前は伏せなければならないが、ネタを提供しているのは実在する現役の神職たちだ。 神職になるには大学に通い神職資格取得過程を卒業せねばならず(神職資格取得過程を有する大学は東京都渋谷区にある「國學院大學」と三重県伊勢市にある「皇學館大学」の二つのみ)、その大学時代のネットワークを通じて話を集めてもらった。 ただし、場所や事象が特定されると困る事象については、話をアレンジするなど充分な配慮をしている。 話の一部を抜粋しよう。 ・千客万来 宮司を引退した男が学生時代の友人から廃神社になりそうな神社のお守りをしてくれと頼まれた。清掃や修繕に励む毎日が続くが、ある時、赤い傘をさした無言の子どもが現れる。彼に身振りで何かを伝えようとするのだが、彼には理解ができなかった。そんなある日、復活した神社で夏祭りが開催される。しかし、大事故が起き死傷者が出る騒ぎに。傷心の彼の前に、再び赤い傘の子どもが現れた。 ・縁の切り方 全国には『縁切り神社』がたくさんある。願掛けをすると、何かから縁を切れるのだ。普通は、悪友、ギャンブル癖、難病などから縁を切りたいと願うが、ある女性はそうではなかった。ずるずると続けてしまった不倫癖を直し、人間関係を清算しようとしたのだが、相手の妻が亡くなってしまう。 ・呼ばれた狐 助勤として神社で働く男性は、ある日、宮司から息子が『こっくりさん』をやりたがっているから、面倒を見てくれと頼まれる。雰囲気を出すため、境内にある蔵の中を真っ暗にし、蝋燭を立てて始めることになる。だが、奇妙なことに締め切った蔵の中で、風もないのに蝋燭の火が大きくなったり小さくなったりする。小さくなり薄暗くなった空間に一瞬だけ稲荷が浮かび上がった。 ・噂 派閥争いはどこにでも起きる。神社も同様だ。ある地方の神社たちは、三つの勢力に分かれている。勢力が分かれる原因となったのは、ある大きな神社同士の喧嘩。正確には、宮司同士の喧嘩だった。だが、片方の宮司は事故によって死んでしまう。その息子も事故で亡くなった。今は三代目で孫がやがて宮司を継ぐ予定だが、自分も事故死すると落ち込んでいる。なぜなら、対抗側の神社が主神に祭っているのは、日本でも有名な祟り神だったからだ。
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