あとがき二〇二〇年が始まったこの時期に、本書を出版できることに感謝をしています。人類は、第二次世界大戦後の半世紀以上にわたり、大自然を壊しながら物資文明を急成長させ、拝金主義を謳歌(おうか)してきました。その反対に、人々の精神は大切なものを見失った子どもたちのように、彷徨(さまよ)ってきたとも言えます。そして、二〇二〇年が明けると同時に、米国とイランの闘争が始まりました。堰(せき)を切ったように、この世界が溜め込んできた負のエネルギーが放出されていくでしょう。これから、どうなるのだろうか? 誰もがこのような不安を抱(いだ)きやすい今のこの時期にこそ、『宇宙万象 第4巻』を出版する運びになったことに、偶然の神意というものを、私は感じています。外の世界で何が起ころうとも、私たちの平安は自分の心に在ることを、この本から感じて欲しいのです。また、自分に起こる嫌なことも、マイナス面だけを受け取らずに、因果の昇華の機会にしてしまう前向きな逞(たくま)しさを、知って頂ければ有り難いです。この本から、私たちは死ねば終わりではないこと、見えている世界は半分に過ぎず、見えない心を大切にするべき重要性を感じて欲しく思います。見えない面も大切にすることで、見える自分の生活面が変わることを知って欲しく思います。新年が明けた二日頃から、私の心中にはバッハの『アヴェ・マリア』の静かな旋律が流れ始めています。人類の喜怒哀楽の様相のニュースを見ましても、スローモーションの画面を見るような錯覚を起こしています。この時に、大いなる慈悲の存在が、今の人類を愛情の目で見ていることを感じます。私たちは、何があろうとも、何が起ころうとも、大いなる慈悲の存在に見守られながら、今を生きていることを知って欲しく思います。だから、何があっても大丈夫です。これから、思いっ切り、生き生きと生きるヒントに、この本がなれば幸いです。令和二年 正月の明けに伊勢白山道
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