真田幸村は、今でも人気のある戦国武将の一人だ。真田十勇士のイメージや、近年の大河ドラマ『真田丸』により、幸村のファンになったという人も多いのではないだろうか。 現代まで伝えられている、関ヶ原の戦いや大坂の陣における幸村の勇ましい戦いぶりは、今もなお私たちの心を惹きつけてやまないのである。現代にも、小説やドラマを通じ、理想の上司像として人気を得た人物がいる。半沢直樹である。 たぐいまれな知力と行動力で、不正を暴いていく痛快さに惹かれる読者は多いだろうが、鮮やかな手腕の裏に隠された苦労や信念、人間性に着目している人はどれだけいるのだろうか。しかしながら実は、この隠された部分こそが半沢の魅力なのだ。本書では、真田幸村の名言や逸話を追いつつ、現代の幸村とも言うべき半沢直樹の名台詞や名場面と比較を行う。そして、両者の共通点や類似点を見出すことで、彼らの魅力、及び半沢直樹が人気を集める現代において、理想の上司像とはどのようなものであるのかということを模索していきたいと思う。
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