AIに執筆させた小説が、「星新一賞」の一次審査を通過したことで脚光を浴びた「きまぐれ人工知能プロジェクト 作家ですのよ」。同プロジェクトを主宰する著者は、「鉄腕アトムのような汎用AIの実現」を目標に掲げ、30年以上にわたって研究を続けてきた。独創的な物語を紡ぎ、絵を描き、プロ棋士を凌駕する知能すら獲得したAIが、アトムのように「心」を宿し、限りなく人に近い存在として社会へ進出する日は来るのだろうか? 研究の最前線から、AI社会の未来を予見する。さらに、AIの躍進が顕著な将棋界を代表するプロ棋士、羽生善治との対談も収録。AIによる常識破りの戦略や知見を抵抗なく受け入れ、成長を続ける「AIネイティブ世代」をヒントに、AIと人間の関係を分析・考察する。目次よりプロローグ 溶け合う、AIと人間の境界線第1章 “AI作家”は、生まれるのか第2章 「知の敗北」が意味すること――棋界に見る、シンギュラリティの縮図――第3章 対談 AIは「創造的な一手」を指せるのか第4章 AIに創造は可能か第5章 「ポスト・ヒューマン」への、四つの提言【著者略歴】松原仁 (まつばらひとし)工学博士。1959年、東京生まれ。東京大学理学部情報科学科卒業、同大学院工学系研究科博士課程修了。通商産業省工業技術院電子技術総合研究所(現産業技術総合研究所)を経て、2000年より公立はこだて未来大学教授。人工知能、ゲーム情報学を専門とし、2014-2016年には第一五代人工知能学界会長を務める。『鉄腕アトムは実現できるか?』(河出書房新社)、『わくわくロボット教室』(集英社)など著書多数。
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