【作品紹介】バブル崩壊から10年、とある地方の中堅信金だった『東南信用金庫』の経営破綻が発表された。バブル期に不良債権処理を怠った、当時の経営陣の失敗により金融庁検査の結果、25億円の債務超過となり総資産1千億円、80年の歴史を誇った『東南信用金庫』はあっさりと潰れることとなった。東南信金の人事課長、伊達幸次郎は破綻発表の数年前からこのような事態が起こることを予見していたが社内改革を進めようにも、当時の天下り役員、矢田の妨害もありうまくいかず最悪な結果を迎えることになった。経営破綻発表後、東南信金は、かつてのライバル『泰平銀行』に事業譲渡されることになった。勝者と敗者の立場が浮き彫りにされ、事業譲渡をするにあたり屈辱的な条件を突きつけられた伊達を始めとする東南信金の社員たち。そして、彼らは光の見えない残務処理に向け準備を進めるのであった。顧客へのお詫び行脚、業務監査委員会や泰平銀行役員たちからの理不尽な仕打ちに耐え、将来の不安を抱えながら今できる仕事を必死にこなす東南信金の社員たち。また、半年後には解散するにもかかわらず、入社する決意をした新入社員たち。そんな彼らの行く末を心配する家族や、顧客、取引先の人々。伊達を中心とする、それぞれの人間模様や思いをつづり信用金庫が解散するまでの状況をリアルに描いた群像劇小説の前編!【目次紹介】一 忍び寄る経営破綻の影二 経営破綻三 新卒採用内定者四 融資先それぞれの思い五 希望 心に太陽をあとがき
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