ダウンロード 雜司个谷鬼子母神の力石 epub 本

　　東京都豐島區雜司个谷にある威光山法明寺の鬼子母神堂の境内には、力石と言はれてゐる石が幾つか保存展示されてゐる。力石とは江戸時代の中期から昭和の中頃まで、全國のあちこちで盛んに行はれてきた力くらべや力持ち神事の石である。鬼子母神は幼い子を守る神樣として今も人氣があり、雜司个谷の鬼子母神堂も、參拝者が絶えることがない。しかし毎日、澤山訪れる參拝者の殆どは、境内にある力石には興味を持たないやうである。　　筆者は、これまで神社や寺院での奉納相撲に興味を持ち、その關聯で機會あるごとに力士を紀念する力士碑、力くらべの具體的な記念物である力石、相撲に關連した奉納額などを觀察してきた。　　本書では、鬼子母神堂の境内にある力石を紹介したうへで、力石についての一般的な知識を紹介し、そこから見えてくる我々の先人達の美意識や、現代人の心の弱さなどを指摘したい。　　また、これを機會に力石に興味を抱く人の參考になるやうに、力石の見方や、豐島區内にある力石、都電荒川線を利用した力石巡りも紹介する。さらに力石についての若干の事柄を追加した。また、遠い時代の祖先達が抱いてゐた石の靈力について書き添へた。　　本書により、力石について一人でも多くのかたが關心をお持ちになられることを期待してゐる。　　本書の内容　　雜司个谷鬼子母神堂の力石　　富岡八幡宮へ移つた力石　　豐島區内のほかの力石（池袋氷川神社の力石、富士淺間神社の力石、長崎神社の力石、金剛院の力石）　　都電荒川線で行く力石巡り　　力石はどこに在る　　力石とは何か　　力持ちといふこと　　先人達の美意識　　先人達の遊び心　　先人達の敬神感覺　　力石から力士碑へ　　現代人の心の弱さ　　力石の觀察　　石に籠もる靈力