聖天供では電熱コンロを使い、本堂は蛍光灯で煌々と照らされ、説法にマイクを用う。これが現代の密教の在り方である。一方で未だに紙の次第でなければならないという考えがある。密教の目的は三密加持による本尊との入我々入を得て即身成仏することにあり紙の次第に執着することが目的ではない。本堂で目が見えぬからと背中を丸めて次第を読むのであれば拡大ができる電子書籍を用いれば良い。端身正立と説かれるほど修法中の姿勢は大切である。次第を紛失してはならないからと旅先に次第を持参せず日夜の修法を怠るくらいならば電子書籍として持参し修法を怠らぬ方が良いのは言うまでもない。電子書籍の次第が許されない理由などなく、また電子書籍がいけないという考えに執着することを密教では捨てねばならぬ。密教において大切なことは何よりも修法であるのだから、いつでも三昧に入れる電子書籍の次第を用いない手はない。本書は会員の求めに応じて中院流に伝わる三十三尊法を師伝を元に編纂したものである。第一巻は一字金輪仏頂尊を本尊とする金輪法である。金輪法の行者は一由旬のあらゆる修行者の功徳を自らのものにするという。まさに速疾悉地成就の第一と言われるほど強力な修法である。その功徳力は余法に勝ると口伝されている。師伝により作法などが異なる場合があるが、そのような時は教えられたものに依られたい。本書が国家安穏、密教興隆、諸人快楽、諸願円満のための一助となることを願う。※売り上げの一部は各種慈善団体及び学術研究機関への寄付に充てさせて頂いております。
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