「板書を書きすぎているのかもしれない……」あえて「書かない」ことで、子どもの思考を引き出す板書の余白をつくる〇授業が終わった時に「書きすぎてしまった」と反省することがある。〇授業中、子どもの発言をどこまで書けばよいのか迷ってしまうことがある。〇板書をノートに全部写させるべきなのか悩むことがある。〇教えたいことを書き残すだけの板書になってしまうことがある。このようなお悩みを一度でも抱いたことのある方に、解決のための一つのヒントになる考え方があります。それは、授業のねらいに沿って「あえて書かない」部分を決める「書かない板書」です。「書かない」ことを意識することで、板書は思考ツールとなる余白をつくることによって、板書は思考ツールとして有効に働きます。実は先生方の多くも、無意識のうちに「書かない」場所をつくっているはずです。「ここには、『子どもの発言』を書いて……」と考えることは、つまりその部分は「書かない」と判断しているということになります。では、なぜ、そこを「書かない」で、子どもに委ねようと考えたのでしょうか?そこを「書かない」ことで、子どもにどのような力を付けられるのでしょうか?「書かない」部分のねらいや機能について、自覚的になるだけでその効果はぐっと高まります。論理的思考ツールとしての板書の新たな形である「立体型板書」を提案している著者の沼田拓弥先生(八王子市立第三小学校教諭)は「書かない板書」を子どもの思考の働きに着目し、4つの機能に整理しました。〇関連付け――情報を関連づける視点を得られるように促す〇分類――情報の規則性を見つけるように促す〇抽象化・具体化――学んだことを活用できるように促す〇類推・添加・削除――学習内容を自分に引き付け、創造的な思考を促すこの4つの機能を意識して、「書かない」部分を決めるだけで板書を通して子どもの論理的思考力を働かせることができるのです。「書かない板書」の戦略と戦術「書かない板書」は単純に「教えたいところを書かない」「考えさせたいところを書かない」にとどまる手法ではありません。手法だけをなぞり、「書かない」だけでは成立しません。「書かない板書」には戦略と戦術が必要です。そして、戦略と戦術は「練られる」ものです。効果的かつ意識的に「書かない板書」を活用するには、今回紹介したことのほかに考えておきたい、これまでも論じられてきた板書の課題があります。そういった板書の課題や「書かない板書」の機能をもとに、戦略を練り、戦術としての「しかけ」をちりばめるのです。しかけには、全員が参加できるようにきちんと「書く」という行為や「書かない」部分に効果的に注目させるための教師の指導言などがあります。これらをねらいに即して、組み合わせることで、効果的な「書かない板書」を実現できるのです。これまでの板書の課題から「書かない板書」の授業の様子まで、この1冊で分かります。本書を手に板書の意味や役割を見つめ直し、「書かない」部分に注目してみませんか?
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