現場19年、大阪の元気な言語聴覚士が、患者から学んだ人生の処方箋。コロナ禍の中、先行き不透明な時代にこそ、多くの人にぜひ読んでほしい本。〈はじめに〉より新型コロナウイルス感染拡大の影響で、社会が激変しました。なんとなく先行き不安な人、子どもの教育に迷っている人、今が人生のどん底だと思っている人、理不尽なことばかりで、「なんでやねん!」と自暴自棄になりそうな人、そんな人にぜひ読んでいただきたいと思って書きました。みなさん、こんにちは。西村紀子といいます。私は、言語聴覚士という仕事を19年しています。主に脳卒中などの病気や、頭部外傷などによる後遺症がある人のリハビリテーションに従事してきました。でもこの本は、その病気や障害について語る本ではありません。この本には、病気や怪我によって、身体が麻痺して自由に動くことがままならなくなった、ご飯が食べにくくなった、言葉が思いつかなくなった、怒りっぽくなったなど……、ある日突然別人のような生活に放り込まれた人や、その家族が、そこからどのように再生していったのかについて書いています。また、どんどん病気が進行していき、自分でできることが失われていく日々の中で、今できることを見つけて、精一杯生きている人やその家族のことも……。人生の先輩である高齢者からも、多くの学びがあります。その人ならではの、いわば「人生訓」があり、私にとってそれらは、ロングセラーになっている名著に引けを取らない「生きた学び」です。生命の危機から脱出した多くの患者さん、そして家族が、そこから立ち直っていく姿は、巷にあふれる薄っぺらな自己啓発本よりも、何倍も奥が深いのです。正直、上っ面だけ「困難を克服」とか言ってる有名人とか(知らんけど)よりも、人生の半ばで障害を負って、それでも日々頑張っている「市井の人」の言葉の方が、心に響くのです。生きていれば道は開けるのです。それを大阪では「生きてるだけで丸儲け」と言います。生きてるからこそ、悲しみも喜びもあります。この本を読んで、そんなことを感じとってもらえたらと思います。たくさんの患者さんや利用者さんのエピソードを交え、言語聴覚士の仕事を紹介していきたいと思います。まだまだマイナーな職種ですが、多くの人に知っていただけると嬉しいです。
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