「教育と心理のすきま支援ワーカー」が考える、不登校支援と教育のこと 本書の概要 学校教育の大きな課題となっている、不登校支援。 中学教師から、不登校児をサポートする「教育と心理のすきま支援ワーカー」に転身した著者がこれからの学校教育のあり方を問う。 「学習」「人間関係」「いじめ」「居場所」の4つのテーマを軸に、実際の子どもの作文とともに考える。 本書からわかること 「私」がしているのは、自己満足の支援!?――「不登校」への思いこみに向き合う 「適応指導教室の改革をしたいので、手伝ってもらえませんか?」 中学校の教員を辞めて数年、「心の相談員」をしていた著者に教育委員会から声がかかります。 「お声をかけていただいてありがとうございます……。ところで、『テキオウシドウキョウシツ』ってなんですか?」 市区町村が設置している不登校の児童・生徒が通う学校外の教室(教育支援センター(適応指導教室))「あおぞら」に勤務することになった著者。 不登校支援の素人だけれど、気合だけは十分ある。 「元気のない子には元気をあげて、勉強ができない子には勉強を教えてあげよう」とはりきる毎日。 けれど、子どもたちは一向に心を開いてくれません……。 「先生、後輩には温かさと一緒につらさに耐えることも教えてあげて」 ある卒業生が涙ながらに言った言葉。 「私」がしているのは、自己満足の支援なのか!? 自身の思いこみに向き合いながら、不登校支援を続ける著者と子どもたちの物語。 「先生も俺が楽しいだけでゲームをやっていると思うのか! ゲームでもしていなければ、みじめでみじめでやってられないんだ!」――子どもの言葉に向き合う 「どうも私は肝心なときに子どもを理解しそこなっています」 小学5年のときに出会ったA君。 時間をかけて信頼関係を築き、A君も周囲の期待に応えようと頑張ります。 そんなとき、著者がなにげなくかけてしまった「またゲームばっかりやってたの?」の一言――。 怒りと悲しみが混じったなんとも言えない表情でどなるA君。 一体、A君はなにを感じ、何を考えているのか。 子どもたちが書いた作文に紡がれる言葉の数々から、これからの不登校支援と学校教育のあり方を考えます。 評価の声、続々! 本書を読んでくださった方から、評価の声をいただいています。 〇山田ルイ53世氏(芸人・髭男爵)のコメント 本書は、「不登校の子供」の物語ではない。綴られた作文の数々は小さな魂の魚拓。 全ての「こども」と「おとな」の喉元に突き付けられた文学、生き様である。 僕もかつてはひきこもり。こういう人がいる、こういう居場所があると知っただけで、「人生が余ったな……」という絶望や閉塞感に覆われ曇天だったあの頃に光が差し、「あおぞら」が広がるような気がするのだ。 〇石井志昂氏(『不登校新聞』代表)のコメント 不登校という心の傷と、どう向き合えば子どもは育つのか。 その答えが詰まった実践本でした。
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