思考は言葉がつくる? ……でも、私たちは人の名前より顔のほうが覚えやすいし、ジェスチャーで想いを伝える。あるいは、近道をする、チェスをする、バスケをする、家具の配置を考えるとき、私たちは言葉を介さず抽象的思考を行っている。言葉以前にあるもの、それは「空間」内で行う「身体動作」だ。心と脳の科学は、「身体動作と空間的思考が抽象的思考の基盤である」ことを発見し、裏づけてきた。本書では、一連の研究を牽引してきたバーバラ・トヴェルスキー教授が、何百もの実験を取り上げながら、その最新科学を案内する。アイデアを練る、説明書を書く、漫画を描く、建物を設計する…。そうした活動すべての背後にも、身体・空間に根ざした思考がある。いかにそのメカニズムを理解し、日々生かしていくか。科学・デザイン・アート・コミュニケーションに従事するすべての人に、発見と示唆を与えてくれる一冊。「…見事。読者自身の体験についてのガイドツアーでもある本書は、思考についての新しい思考法を示している。」――ダニエル・カーネマン(ノーベル経済学賞、『ファスト&スロー』著者)「私たちの論理的思考、言語、文化に埋め込まれた空間的思考についての、世界的第一人者による、魅力的な探究。」――スティーブン・ピンカー(『思考する言語』、『21世紀の啓蒙』著者)「この魅惑的な新著にて、トヴェルスキーは動作や行動や身体がいかに私たちの思考の土台となっているかを示す。身体と身のまわりのものを認知・操作する仕方を利用しながら、心は脳と体から拡張し、世界と環境へと広がる。非常に面白く、非常に重要。」――ドナルド・ノーマン(『誰のためのデザイン』?著者)【認知の9法則】1.コストなくして利益なし2.動作が知覚を形成する3.感覚が最初にくる4.心は知覚の上を行く5.認知は知覚を反映する6.空間的思考は抽象的思考の基盤である7.心は欠けている情報を補う8.思考が心からあふれると、心はそれを外の世界に移す9.私たちは心の中にあるものを整理するように、まわりの世界にあるものを整理する
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