皮膚の上で、どのような美や真正性が営まれ、いかなる切実さが争われているのだろうか マルケサス諸島のテ・パトゥ・ティキ/ニュージーランド・マオリのタ・モコ/タイのサックヤン/カメルーン・狩猟採集民バカのテレ/インド・バイガのイレズミ/台湾原住民のイレズミ/日本土産としてのイレズミ/沖縄のハジチ/千葉のヒップホップファッション・ストア店員のスミ/消えるタトゥー、ジャグア/医学から見たイレズミ/アイヌのシヌイェ 日本初のイレズミ・タトゥーの学術論集。各地の事例を紹介しながら、それぞれの社会の文化、美学、歴史、政治を考察する。 【目次】 まえがき(山本芳美) 第I部 世界編 第1章 顔を横切る黒い帯―マルケサス諸島の文様の変容(桑原牧子) 第2章 ニュージーランド・マオリのタトゥー、タ・モコの復興(秦玲子) 第3章 より善い人を生み出すイレズミ―タイのサックヤンにみる宗教性と暴力(津村文彦) 第4章 「今」の楽しさと関係を刻む人々―カメルーン東南部の狩猟採集民バカのテレ(彭宇潔) コラム1 インド・バイガのイレズミを振り返って(阿部櫻子) コラム2 台湾原住民族と植民地時代の記録、そして現在―先住民族の知的財産保護と文化の盗用論をめぐって(山本芳美) コラム3 どうやって調べるか? ウィリアム・ファーネスとイレズミを例にして―横浜、奄美、沖縄、ボルネオ、ヤップ(山本芳美) 第II部 日本編 第5章 ヴィクトリア朝イングランドにおける「芸術的な」日本のイレズミと商業戦略(マット・ロダー[大貫菜穂 訳]) 第6章 沖縄のハジチ(針突)とその調査史―資料蓄積を活かすために(山本芳美) 第7章 関係性としてのタトゥー―千葉市でヒップホップファッション・ストアを営む若者たち(山越英嗣) 第8章 「消えるタトゥー」はタトゥーごっこか―らしさとらしくなさをめぐって(松嶋冴衣) 特別寄稿 第9章 イレズミと医学(小野友道) 第10章 私とシヌイェ(マユンキキ) あとがき 執筆者紹介
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