聖天供では電熱コンロを使い、本堂は蛍光灯で煌々と照らされ、説法にマイクを用う。これが現代の密教の在り方である。一方で未だに紙の次第でなければならないという考えがある。密教の目的は三密加持による本尊との入我々入を得て即身成仏することにあり紙の次第に執着することが目的ではない。本堂で目が見えぬからと背中を丸めて次第を読むのであれば拡大ができる電子書籍を用いれば良い。端身正立と説かれるほど修法中の姿勢は大切である。次第を紛失してはならないからと旅先に次第を持参せず日夜の修法を怠るくらいならば電子書籍として持参し修法を怠らぬ方が良いのは言うまでもない。電子書籍の次第が許されない理由などなく、また電子書籍がいけないという考えに執着することを密教では捨てねばならぬ。密教において大切なことは何よりも修法であるのだから、いつでも三昧に入れる電子書籍の次第を用いない手はない。本書は会員の求めに応じて中院流に伝わる三十三尊法を師伝を元に編纂したものである。第六巻は聖観音菩薩を本尊とした聖観音法である。改めて述べるまでもなく聖観音菩薩は大乗仏教で広く知られた菩薩である。仏の有する慈悲は弥勒菩薩と観音菩薩で象徴される。弥勒菩薩の慈は人々に楽を与え、観音菩薩の悲は人々から苦しみを抜くことを本誓とする。現代社会を生きる人々は一見豊かになったように見えるが本質的にはいつも苦しみを抱えている。そのような目立たぬが重い苦しみを救うために観音菩薩の功徳力を得て真言行者は社会事業に取り組まねばならない。なおチベット仏教におけるダライラマ法皇は観音菩薩の化身であることは広く知られている。そのため法皇の住居をポタラ宮、いわゆる観世音菩薩の住むポータラカであり、日本語では補陀洛と呼ぶ。このようにチベット仏教でも観音菩薩は重要視されており、真言密教の行者ならば習得しておかなければならない修法の随一であることを付しておきたい。師伝により作法などが異なる場合があるが、そのような時は教えられたものに依られたい。本書が国家安穏、密教興隆、諸人快楽、諸願円満のための一助となることを願う。※売り上げの一部は各種慈善団体及び学術研究機関への寄付に充てさせて頂いております。
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